海洋環境に優しい化粧品、ついに誕生!
地球の大きな課題である海洋プラスチックごみや化学物質による海洋汚染。特に海に囲まれた日本では、生活排水やレジャー活動が海に与える影響を減らすことが求められています。
そんな中、化粧品OEM/ODMメーカーの株式会社サティス製薬と国立大学法人群馬大学が、共同研究で「真に海で生分解される」化粧品処方の開発に成功したと発表しました。これは、微生物が少ない過酷な海洋環境でも分解が進む、画期的な皮膚洗浄剤(化粧品)の処方です。

「真の生分解性」を求めて
これまでの「生分解性」という言葉は、多くの場合、微生物が豊富な下水処理場での分解を前提としていました。しかし、キャンプや海水浴、下水設備が整っていない地域など、下水処理施設を通さずに直接自然界へ排出されるケースでは、従来の指標では海洋環境に悪影響を及ぼすリスクがあったのです。
そこで、サティス製薬と群馬大学は2022年から共同研究をスタート。「海洋環境での生分解」に特化した処方開発に挑んできました。
実際の海で実証!驚きの生分解性
机上の計算だけでなく、「実際の海でどうなるか」を検証するため、茨城県ひたちなか市阿字ヶ浦海水浴場の海水を採取し、国際基準である「OECDテストガイドライン306(クローズドボトル法)」に準拠した試験を実施しました。
この厳しい条件下で、数千種類もの化粧品原料の中から厳選された特定のアミノ酸系界面活性剤などが、28日間でBOD(生物化学的酸素要求量)生分解度60%以上を達成しました。この60%という数値は、残りの約40%が微生物自身の細胞などに変換されるため、実質的に元の化学物質がほぼ完全に自然界に還ったことを意味する、非常に高い水準です。さらに、水中に溶け残る有機物(DOC)の残留割合も30%未満と厳しく評価され、高い環境適合性が実証されています。
「分解」と「保存」の両立という難題をクリア!
この研究の大きな壁の一つは、「生分解性(微生物に食べられやすい)」と「防腐性(微生物に食べられない)」という、まるで反対の機能を両立させることでした。しかし、防腐剤を使わずに、特定の保湿成分(カプリル酸グリセリル、カプリリルグリコールなど)と洗浄成分を最適なバランスで組み合わせることで、製品としての安定性を保ちつつ、海に流れた際には素早く生分解される技術が確立されました。この技術は現在、特許出願中です。

これからの未来へ
この画期的な処方は、今後、これまでに集められた膨大な実環境試験データを活用した予測モデルの構築や、洗顔料やボディソープといった「リンスオフ(洗い流し)製品」としての製品化が目指されています。
サティス製薬と群馬大学は、これからも科学的な根拠に基づいた「環境調和型のモノづくり」を追求し、海洋環境を守る新しいライフスタイルを提案していくことでしょう。
関連情報
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株式会社サティス製薬
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国立大学法人群馬大学


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